各種実験への取り組み

水理模型実験結果

1)KD(4)

KD値(安定係数)実験結果
形状寸法(実物大として) 設置勾配 KD
1.0m×3.0m×2.0m 1:3(角度:18.4°) 8.60

参考値:捨石のKD値 2~4


2)イスバッシュ定数(5)

イスバッシュ定数実験結果
種別 形状寸法(実物大として)
1.0m×3.0m×2.0m
備考
延性抵抗モード 1.1 各ユニット間に隙間がある形状
拘束抵抗モード 1.4 各ユニットが隙間なく密に配置されている形状

参考値:捨石のイスバッシュ定数 0.9~1.0

捨石工との比較ではKD値で2~4倍大きく、イスバッシュ定数で1.1~1.4倍大きい数値となりました。


3)反射率(2) (4)

0.2程度(実験値0.16〜0.286)



港湾空港技術研究所資料No.1269より


最終的には、蛇篭とその隣の方塊ブロックの列を残し、ほかは飛散しその下部まで洗掘を受けた。残った方塊ブロックは、目地部における流速が強いため、越流水塊が直接作用せず流されなかったが、一方で、袋詰め材は流されたため、その下部が洗掘され、その後、蛇篭の2つ隣の方塊ブロックは流されたと考えられる。蛇篭は両隣の拘束力が強かったためである可能性があり、現地に適用する際には留意する必要がある。




防波堤の腹付け被覆ブロックの安定性より

(1) 実験断面
実験は、既存の防波堤を参考に1/12.5の縮尺の模型を作製した。
ケーソンは高さ1.6m幅1.06 mで0.2mのパラペットを再現したものを3函設置し、目地幅0.02mとした。
その背後に腹付け工としてマウンドと同様の3号砕石(粒径30mm~40mm)を高さ0.48m、長さ1.73mとなるよう設置しその上に被覆ブロックの模型を設置した。

(2) 実験結果
a)ブロック空隙率の違い
ブロックの空隙率の違いについたは、どのケースにおいても、越流による流れが被覆ブロックまで到達しない場合は、被覆ブロックの被害は確認されなかった。被覆ブロックまで流れが到達した場合で、水位差が同程度の場合は、法肩付近は流れの影響により飛散していたが、天端部は空隙率が大きい物ほど被害率が小さいことが確認できた。また、天端部は越流落下地点のブロック被害後の腹付け工の洗掘による影響で、被覆ブロックの空隙率に関係なく被害が拡大していることも確認できた。

b) 石籠
石籠は他のブロックと比べ空隙率が大きいことから、水位差が同程度の場合は、被害率が小さかった。しかし、一度被害すると他のブロック同様、腹付け工の洗掘の影響を受け、大きく被害が発生することが分かった。


【参考文献】 ※ご覧になりたい方はお問合せください。

(1) 有川、佐藤、下迫、富田、廉、丹羽(2013):津波越流時における混成堤の被災メカニズムと腹付工の効果
(港湾空港技術研究所資料 No.1269)
(2) 猿田:港湾築堤マットを用いた反射波低減対策の提言(平成26年度スキルアップセミナー関東)
(3) 有川、岡田、下迫:防波堤の腹付け被覆ブロックの安定性(土木学会論文集 B2(海岸工学)Vol.70)
(4)かごマット工法技術推進協会:かごマット水理実験結果報告書(田中、居波、櫻田( 東海大学海洋学部))
(5) 小岩金網、小財スチール、岡三リビック、トワロン:かごマットのイスバッシュ定数に関する検討結果(多田、宮田(防衛大学校))



実験動画